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「イニエスタと香川」FGO.58 

Football goes on vol.58

「イニエスタと香川」

フットピーポーよ!無敵艦隊の船出はドロー!いやーそれにしても濃い試合でした。この試合で起きた2転、3転した戦術変更、そしてそれが鮮やかに試合の流れを変え、生み出した名勝負。ちょっと今回はその戦術変更、「サイドのポジショニングの重要性」を中心に書いてみたいと思います。なぜならこれ、まんま今の日本代表にも当てはまるタイムリーなテーマだと思うんです。最初に注意しときます、今回、いつも以上に長いですよ(笑)

まず前半ですが、完璧にイタリアペース。その原因はイニエスタ、シルバ、両サイドの選手のポジショニングと密接な関係があります。3-5-2、実質的には5-3-2というイタリアのフォーメーションに対して、スペインはバルサが多用する、4-3-3のセンターフォワードの代わりにアタッカーをトップ下の位置に置く変形の4-4-「2」、いわゆる「ゼロトップ」です。この「2」に当たるのがイニエスタとシルバだったわけで、そのポジションはウイング。バルサではペドロ、アレクシス・サンチェスが務めるポジションです。

本家グアルディオラはその「2」のポジションに必ず高い位置のサイドで開くことを求めます。ちょうど相手サイドバックの目の前。そこにいろと。そのサイドバックと1対1になるポジショニングは相手センターバックと守備的ミッドフィルダーから見れば心配の種。気持ちはサイドに、さらにカバーの為に実際にサイドに引っ張られる。するとバイタルがゴール前にスペースができる。そこをメッシ、イニエスタ、シャビ、セスクが使って得点を量産する。これがバルサの「ゼロトップ」です。

バルサでグアルディオラはイニエスタをこの「2」のポジションで使いたがりません。何故か?この試合の前半でも出た「イニエスタの真ん中志向」がどうしても制御できないからです。どうしても厚みのある中盤にしたくて使うときも「2」の反対サイドには必ずサイドに開いて仕事ができる本職を置いてバランスを取っていました。

しかしこの試合、イニエスタの反対サイドのもう1人はシルバ。イニエスタと同じく「真ん中志向」の強い選手。結果前半はセスク、イニエスタ、シルバがイタリアがきっちり「錠前」をかける一番固い真ん中に全員集合!その凄まじい個人技でイニエスタが何人交わそうと次々と現れる青い壁に跳ね返され、カウンターを浴びる。こうして前半はイタリアに完全にペースを握られる訳です。

象徴的なのがイタリアの右ウイングバック、マッジョの攻め上がりです。前半のイタリアの攻撃ではイニエスタサイドのマッジョの攻め上がりが目立ちました。スペインの変形4-4-2とイタリアの5-3-2、そのフォーメーションを重ねると、スペインはフォーメーションどうりなら各サイドに3人。一方イタリアは1人!(どうなのそれ?)フォーメーションどうりのポジショニングであれば、本来ならサイドは3対1の関係なんです。マッジョは防戦一方、攻め上がりなんてありえない関係。

ところがバルサ式ゼロトップで言えば、相手サイドバックの目の前、つまりマッジョの目の前にいなければいけないイニエスタがそこにいない。さらにそのイニエスタの後方にいなければいけないシャビ・アロンソも一緒に真ん中にいてサイドにいない。サイドにいるのはジョルディ・アルバのみ。つまり実際のピッチ上では1対1の関係ができあがっていた訳です。

おまけにカウンター時に目の前に広大なスペースがあるのでマッジョは勢いをつけてサイドが突け、バロテッリ、カッサーノもサイドのスペースを使い放題。サイドアタックに特化したデザインのスペインが、サイドアタックを放棄して真ん中に人数を集めるイタリアに、なんとサイドアタックを食らうという、奇妙な絵が前半のピッチには描かれていたんです。

プレビューでも書いたんですけどイタリアサイドで観ていた僕は「こりゃスペイン食えるぞ!」とワクワクな展開でした。

しかしハーフタイムを挟んでスペインは豹変します。何が?イニエスタ、シルバのポジショニングです。デルボスケによほど口酸っぱく言われたのかイニエスタ、シルバは後半開始からきっちりサイドに開く形を取り出しました。

するとピッチ上には本来の「サイド有利」の構図が出来上がり、マッジョは攻め上がりなんてできるわけも無く低い位置に釘付け。さらに1対1じゃ止められる訳も無いイニエスタ、シルバを警戒して、ボヌッチ、キエッリーニはサイドに引っ張り出され、マルキージオ、モッタもカバーに。それまで綺麗に決まっていたイタリアのバイタルエリアでのプレスが徐々に空転していく。前半は1対1の関係でオーバーラップする事ができなかったジョルディ・アルバもガンガン上がりだす。

勢いにのるスペイン、しかし面白いことにペースを握ったスペインではなく、イタリアに先制点が生まれます。

絶好のチャンスを潰したバロテッリに代わって入った、「おっさんの星(笑)」三十路ドリブラー・ディナターレのカウンター1発。勢いにのり前がかりになった裏のスペースに、ピルロのスルーパス一閃。実にイタリアンな得点でした。

しかしすぐにスペインが奪い返したあの形、あれこそがバルサ式ゼロトップの得点です。サイドに張ったイニエスタがディフェンダーを引き寄せ、真ん中に寄ったのではなくセスクとポジションチェンジをしたシルバにパス。そしてポジションチェンジしたサイドの位置からスペースに走りこんだセスクが決める。イタリアディフェンスは大きくイニエスタサイドに傾き、あっけなく開かれた「錠前」にセスクは流し込むだけの形。

そして追い打ちをかけたのが、セビージャの天才ドリブラー、サイドの本職中の本職ヘスース・ナバス(大好き)をシルバに代えた交代です。グアルディオラ的「イニエスタをウイングで使うときは必ずサイドに開いて仕事ができる本職を置いてバランスを取る」です。

しかもナバス、キレキレ!シルバ以上に危険な選手がサイドにいることでイタリアのディフェンスはドタバタ。スペインの追加点が色濃くなりだします。

しかしここでまたも状況が一変!そのトリガーはセスクout、トーレスinの交代でした。

真ん中に君臨するセスクがいなくなった事で、イニエスタの「真ん中志向」が復活!そしてそれを象徴するように後半30分過ぎあたりから「マッジョの攻め上がり」も復活する訳です。いやあ面白い!

しかしキレキレのナバスでバランスを取っている以上、片翼飛行とは言えまだスペインにはチャンスがありました。しかしかし!スペインはナバスにボールを集めず、むしろ窮屈なイニエスタにボールを集めてしまう!イタリアが息を吹き返し始めます。

後半30分からはどちらが追加点をあげるか分からない白熱した展開に。イタリアサイドで観ていた僕は、ナバスにボールが渡らない事を祈りながら観ていました。試合は結局ドロー。ユーロ08、南アW杯で最後には解決した同じ問題が、ユーロ12初戦でまたしても振り出しに!さすがはラテン民族(笑)

そしてここまで読んだ方ならもうピーンときているはずです。我が日本代表も同じ問題を抱えているという事を。

香川です。イニエスタと同様にそのプレーに疑う余地はありません。ただしやはりサイドアタックとプレッシングを狙ったフォーメーションを採用する日本代表にとって、その「真ん中志向」のポジショニングは監督にとって頭の痛い問題だと思います。

プレビューでも書いたのですが、ポジショニングを守らない事が全体にどう影響を与えるのか。という視点で、さらに敵側のイタリアサイドで観ていたからこそ、12日のオーストラリアが、日本の左サイドに何を仕掛けてくるのかが予想されます。マイボールになった瞬間にスペースを突く「マッジョの攻め上がり」でしょう。

はたして香川は後半頭のイニエスタになれるのか?そしてスペインは真ん中志向の強いイニエスタ、シルバをどう扱うのか?我が代表と同じ問題をかかえるなんとも興味深い今大会のスペインです。イタリア?いやあこのサイドアタック全盛時代に3-5-2使ってる時点で無いでしょう。残念ながらフォワードの凄まじいプレーが飛び出すのを期待してひたすら耐える、つまり「奇跡待ち」のチーム。必然性がありません。

今回は言いたい事が多すぎてとんでもない事になったんで、フランス×イングランドを考える時間がありません(笑)。YasD勝てるといいね!フランス強いよ!ルーニーいないけどがんばれ!さあ12日のオージー戦、このイタリア×スペインと照らし合わせて観てみると面白いと思いますよ~、そんな訳でそれではファン・マヌエル・また!

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