FC2ブログ

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「プレッシングサッカー」FGO vol.75 

Football goes on vol.75

「プレッシングサッカー」

フットピーポーよ!ひさしぶ!ユーロで鬼のような長文&連投の後遺症で、ほぼ1ァ月無更新だったFGOですが、五輪代表男女の快進撃にひさしぶりの更新です!

男子は残念ながらセミファイナルで敗退して3位決定戦に、そしてなでしこは死闘の末についにファイナル!しかしなでしこはともかく、選考や事前の親善試合の体たらくぶりにみなが諦めていた男子のこの快進撃、誰が予想できていたのかっ!ちなみに俺は2敗1分で予選敗退だと思ってました、すまんかった関塚!

世間でいろいろと言われている関塚監督ですが、僕は前から望んでいた「プレッシング」にチーム作りの舵を切った点で、関塚監督を評価しています。アジア予選の時とはスタイルを大きく変えて、プレッシングショートカウンタースタイルへの変更。正しかったと思います。いろいろ物議をかもし出した選手選考も、「本大会はこのスタイル」という青写真が描けていたとすれば確かに理にかなっています。

王者として横綱相撲が取れるアジア、チャレンジャーとして挑む本大会、その辺の切り替えが最終選手選考段階で出来ている。アジア予選で戦ったメンバーは変えずに、冷蔵庫の中にある食材でありあわせのカウンター料理を作ってしまった南アW杯の岡田監督との違いです。

ただし選手交代に関してはやっぱり疑問が多い監督です。まず、遅い。状況が動かないと、動けない。状況を動かす交代が打てない。メキシコ戦での交代もちょっと不可解でした。まず2枚目です。2列目のパサーでありチャンスメーカーの清武に代えて、アタッカーの宇佐美。まず1点を取らないといけない状況なので、より得点力のある選手を入れるその意図は分かるけど、この交代から日本の攻撃は明らかに停滞します。

そして決定的なのが3枚目、さばき役の扇原に代えて、ドリブラーの斉藤。これで日本の中盤からは攻撃を創る選手がいなくなりました。以降はひたすら可能性の薄いパワープレーが繰り返されるだけで、結局、今大会で始めて訪れた「点を取りに行かなければいけない」という状況に関塚監督が持っていたオプションはオールドなパワープレーだけ。ちょっと切ないものがあります。

そのプレッシングに関しても、甘さも目立ちます。選手の走力任せ的な、戦術やフォーメーションの担保の無い「根性プレス」。ちょうどいいサンプルがユーロのイタリアです。3-5-2、4-3-1-2と恐ろしくプレッシングに向いてない陣形で無理やりプレッシングを行ったイタリアの方が酷かったと思いますが、関塚ジャパンのプレッシングも、やはりディティールの甘さが目立ち同質の問題があるように思います。中2日であのサッカーをやるなら、ターンオーバー的要因が必ず必要なはず。はたしてベンチにその要因はいるのか?そんな采配はあったのか?

一方、ほぼ完璧なプレッシングサッカーを披露してファイナルまでたとりついたのがなでしこジャパン、というよりもあえてこちらこそ、敬意を込めて呼ぶのが相応しい佐々木ジャパン、女子代表です。

フォーメーションからして明確にプレッシングサッカーへの意図が感じられます。4-4-2フラット。プレッシングのカリスマ、アリゴ・サッキがヨーロッパの盟主に君臨したミラン黄金期の布陣です。

100m×68mのピッチに、一番均等に選手が配置されるこのフォーメーションはプレッシング、しかも前陣で構えるフルコートプレスにもっとも向いているフォーメーションと言われています。しかしこの4-4-2フラット、いわゆる「フォー・フォー・ツー」は日本にもっとも馴染みの無い文化でもある訳です。

日本のサッカーでこの「フォー・フォー・ツー」が拝めたのは、実はこの名古屋の地。ベンゲル時代のグランパスぐらいでした。当時のベンゲルのグランパスはJではまったく異彩を放つ4-4-2フラット。ベンゲルが一言も「走れ!」なんて言わなくても、自然にプレスはビシビシ決まり、後は高い位置で奪ったボールを前線にいる妖精に預けるだけというシンプルなサッカーで躍進したもんです、ああなつかし~

女子ワールドカップ優勝直後のFGO(vol.50)で、僕は「なでしこジャパンの見事なパスサッカーが世界を制した」という当時の評判に対して、いや、なでしこの凄いところはプレッシング、佐々木監督は日本のサッキ、ササッキだ!(笑)、そして男子もこれをやるべきだ、これぞ日本のサッカーなんだ、と書きました。そのサッカーをさらに鋭く、より円熟させているのがこのオリンピックのなでしこだと見ています。

日本に無い文化4-4-2フラットはつまり自然発生的に日本では生まれない陣形だという事です。監督の明確な狙いから、つまり哲学から逆算して採用されるという、もっとも理にかなった陣形選択なんです。流行ってるから、強いバルサが使ってるから、強いブラジルが使ってるから、何がいいのか分からないけどやっぱりみんなが持ってるからやっぱり私もヴィトンのバックが欲しい的な感覚からもっとも遠い考え方。佐々木監督の明確な意思の表れだと思います。

さらに佐々木監督はほんと最新のサッカーのトレンドに敏感だなーと思わせるのが川澄のサイド起用です。「中盤を制するものはサッカーを制する」というサッカー界における有名な金言があるんですが、これはいまや完全に「サイドを制するものはサッカーを制する」に書き換えられています。サイドを制するためにいまや危険な選手をサイドに置く事は常識。

サイドの高い位置に脅威になり得る選手を置く事は、サイドという安全地帯ならではのリスクを負った勝負プレーを選択しやすくするだけではなく、1対1の勝負のシチュエーションも中央に比べて簡単に創れ、さらに相手のサイドバックのオーバーラップを封印して相手のサイド攻撃を相殺する効果もあり、一石三鳥ぐらいの効果を生むことからどの監督も工夫をこらすポイントになりつつあります。今の現代サッカーにおいて間違いなく主役はサイドの選手なんです。

川澄というスピードと得点力が高い選手はこれまでの日本人監督はどうしてもゴールに近い場所に置きたがるもの。それを本大会の本番で躊躇無くサイドにコンバートする。なでしこのチャンスパターンは左サイドで川澄絡みがほとんどです。ササッキ監督、あっ晴れですよ。

予選最終節での「引き分け指示問題」も、非難されるところが実に日本らしい牧歌的な、平和な話題で、闘争上手のヨーロッパや南米では常識レベルです。しかもあのブラジルを選ぶというキモの太さにも感心です。自分たちが普通にやれば勝てる、と。なでしこの「引き分け指示」は海外でも報道されていました。一体サッカー大国ブラジルはこの事をどう受け止めたのか、それできっちり勝つんですからね、まさに「こんな日が来るとは」ですよ!

しかしファイナルの相手はあのアメリカ。簡単じゃあありません。事実W杯での勝利もほぼ負け試合を追いついてのPK戦です。女子サッカーではまだW杯よりやはりオリンピックが上位、この本番でリベンジに燃えるアメリカはまさしくなでしこ最強の敵でしょう。

さらにこの過密日程の6戦目が、日本のプレッシングの足を鈍くします。結果予想をするとかなり暗い事ばかりですが、ひとつだけ明るい話題というか楽しみにできる事もあります。

それはどんな結果になっても、男子セミファイナルみたいなモヤモヤ感の無い、胸を打つ試合になるだろうという事です。

これは持論なんですが、プレッシングは、しかも本物の連動して全員が走りきるプレッシングは観るものの胸を打つんです。記憶に新しい所ではユーロセミファイナルのスペイン×ポルトガル。いちかばちかの「攻撃的守備」プレッシングサッカーとは失う物の無い弱者に残された唯一の武器。おそらくなでしこに「W杯王者」みたいな変なプライドは無いはずです。最強の敵に対するチャレンジャー。このメンタルでアメリカに挑むなでしこのサッカーは必ず僕らの胸を打つはずです。

僕は結果主義でサッカーを観ていません。選手が全力を出し切るからこそ生まれる、テンションの高い非日常の90分を求めています。さらにそこに「同じ国の」というスパイスも利くわけですから、なでしこの決勝、かなり楽しみです。間違いなく「すべらない試合」ですよ。

そしてそのメンタリティーは男子にも求められる訳です。なにせ相手が相手ですから。決戦の相手はまさかのお隣さん。「ダービー」が銅メダルを賭けて争わされるという、おそらくもう死ぬまで見られないこのシュチュエーション!

これまで日韓戦になると韓国は二割り増しになり、日本は二割減になりがちでした。向こうはいつものように「日本に負けたら韓国に帰れない」覚悟で来る事でしょう。この強い気持ちに対してどう戦うのか。

実は韓国も今大会の日本と同タイプの「プレッシングサッカー」チームです。おそらくこの試合はプレスの掛け合いになると思います。

この試合でのポイントは相手がかけてくるプレスを、どうやってかわすのか、になる気がしています。サンプルはまさしく日本のプレスを、狭いスペースと時間の無い中、見事なテクニックとそこから生まれる状況判断でうまくいなして無効化させたセミファイナルのメキシコのプレーです。

プレッシングは何も日本だけの専売特許ではありません。むしろこれまで日本だけが大きく遅れていた戦術で、世界は数年前からとっくにプレッシング全盛時代です。世界はいまプレスをかけることはもちろん、そのプレスをどう潜り抜けるか?にまで進化しています。

だからこそサイドが注目されている訳です。プレッシングという危険な網が届きにくく、かつボールを失ってもゴールに直結しにくい安全地帯。さらにサイドに起点を作る事で敵を引き寄せ、プレッシングの網の目を広く、潜り抜けやすくこのサイドが最近では勝負を決するポイントになっている理由です。

まさしく「サイドを制するものはサッカーを制する」です。サイドを制するのは日本か?それとも韓国か?この視点で僕は日韓戦を楽しもうと思っています。清武、大津、鍵を握るのはこの二人でしょう。

さあまずはなでしこ!アメリカを相手に金メダルを獲得できるかどうか見守ろうじゃありませんか。ここまでやや大人しい、昨年度世界最優秀選手わが国の10番の右足に願いをこめて、それではまた試合後に!



新作Tシャツアップ!

~ we will never walk alone ~
www.dlive.net
スポンサーサイト
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。