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「今こそプレッシングを!」FGO vol.76 

Football goes on vol.76

「今こそプレッシングを!」

フットピーポーよ!男女オリンピックの最後の戦い、結果は両者とも敗戦。残念でした。

それでもなでしこは銀メダル!決勝戦も実になでしこらしいプレッシングでアメリカに突撃!ただしアメリカのツートップ、特にこの日はピンクヘアバンドのボンバー、モーガンにしてやられましたね~。

ただその後のあの諦めない姿勢!気持ちが見えるプレー!1点追いついて、疑惑のハンドもありつつ、最後まで期待を抱かせてくれるまさに胸を打つ戦い!大満足ですよ、僕は。

そしてその爪の垢を、もう煎じる事無くストレートのロックで飲ませてやりたいのが男子!特に扇原!がっかりだぜ!

メキシコ戦で、重大なミスをしてしまった扇原。先発で再び使ってもらったその意義を分かっていたのか!リベンジのチャンスをもらったにも関わらず、韓国の激しいプレスにリベンジどころか、いつものプレーすらできない状態に…スタメンにいた時から期待していただけに扇原にはがっかりです。とても遠藤の後釜になんて現時点ではもう言えません。

物議をかもしだしている2点ビハンドからの山村投入も、山村を使いたかったというより、完全に韓国に狙われていた扇原の火消し、と解釈すれば納得しています。その後の交代も僕は妥当だったと思います。ただ、できる監督なら後半頭から交代を打ち、自チームと相手チームにメッセージを送ったと思います。「頭からいくぞ!」って。トーナメント戦で負けてるチームならそれぐらいやらないと!

ただしこの日は韓国を褒めなければいけないと思います。なでしこ以上に、勝利への意思がはっきりと感じられるあの闘志。パク・ジュヨンのゴール後の姿が印象的でした。何のパフォーマンスもせずに、ピッチに跪いて神への感謝を捧げる。あんなパク・ジュヨン初めて観ましたよ。彼にとって、チームにとってこの先制点の重さが伺えるシーンでした。

そのパク・ジュヨンは1ゴール、1アシストの大活躍。さらにク・ジャチョル、キ・ソンヨン、韓国はA代表で既に勝着している選手が日本に比べ多かったです。この世代の韓国代表のレベルの高さを物語っていますね。

そんな連中が「自国初の銅メダル」とそして何と言っても「兵役免除」を賭けて挑んできた訳ですから。ましてや相手は日本。もう全員金髪の「スーパー韓国人」状態ですよ。

この試合を日本が失ってしまったのはその韓国のメンタル勝負に付き合ってしまったからじゃないでしょうか。韓国のメンタルフルな攻守にわたるアタックに、対抗する術の不足。やはり南アW杯のように、大会直前の付け焼刃的な戦術変更の限界。そんな印象があります。

前回のFGOでアジア予選メンバーそのままで本大会に突入し、そのメンバーで無理やりプレッシングカウンターをやった岡田監督に比べれば、本大会前に大迫や原口を切ってまで、このプレッシングにあった選手選考を行って大会に入った関塚監督は優秀だと書いたんですけど。それでもやっぱり無理があった。なでしこのように困ったときに信じられる「自分達のサッカー」まで昇華させられるまではなっていなかった。

なぜ、岡田監督といい、関塚監督といい、このプレッシングを最初から極めようとしなかったのか。もはや日本代表チームのレベルでいけば、よほど変な事をしなければ突破可能なアジア予選でこのプレッシングを導入して、その戦術に合わせたチーム作りをしていたら。それを4年間というスパンでやり続けてきたのがなでしこなんです。

基調となるプレッシングが既に完成していたら、この日やメキシコ戦のように「先制されたらどうするか」というオプションの整備にも余力が割けたはずです。日本の快進撃は全て先制点を取って、相手が前に出てくることが前提でした。このチームはプレシングの整備で手一杯で、先制点を取られて前に出なければいけなくなった時に、何の手段もありませんでした。

やっぱり信じられる自分達の理想を持ってるチームは強いです。それは何もバルサのような、美しいパスサッカーだけを指すものではありません。バルサがなぜ強いのか?それはあのサッカーをチーム全員が「信じられる」からでしょう。俺たちはこのサッカーをやってる限り負けない、と。

いま、全世界のサッカーが軒並み「スペイン化」していると言われています。すなわち「バルサ化」です。ただしそこで勘違いしてはいけないのはあのサッカーはスペイン人、というよりカタルーニャ人達が信じ続けやり続けてきた「継続性」あってのサッカーだということです。

サッカーの面白い所は決して方程式が存在しないところです。現にバルサはチェルシーのリトリートカウンターと、レアルのプレッシングの前に敗北しています。

もはや優勝国のサッカーをコピーする時代ではありません。これからは日本が一番苦手とする「オリジナルの構築」が問われる時代です。

その時に、僕にはなでしことこのオリンピック男子代表の躍進の鍵になった「プレッシング」が眩しい存在に思える訳です。

ユーロ総括のFGO(vol.74)でこれからは「ポゼッションvsプレッシング」の時代がくるんじゃないかと書きましたが、その思いは変わりません。

日本はこの「プレッシング派」の代表のような国を目指すべきだと思います。まずはJリーグのプレッシング化です。日常のリーグ戦でのプレスレベルを上げれば、プレッシング技術の向上だけにとどまらず、メキシコ戦や韓国戦で露呈した「プレスを浴びた時のプレー精度」も引き上げられる、これがでかい!

前にも書いたんですけど、数年前からこのプレスの掛け合いが日常的に行われているのがヨーロッパなんです。いまやノンプレスの1対1で相手DFを抜き去るのは当たり前。1対2、1対3のような数的不利のプレス下でも、ボールをロストしないテクニックが求められている時代なんです。

本田や香川、長友あたりはその日常に適応し、プレスを浴びても簡単にボールロストする事は無くなりました。しかしそれが海外に出ないと経験できないんじゃあ切なすぎます。Jリーグのプレス化を望むのはそのため。

それにはやはり日本サッカー界最大の情報発信元である日本代表が、その方向性を打ち出すことでしょう。プレッシングの国からやってきて、自ら影響を受けた監督にサッキの名前を出し、本国でも「サッキ派」のくくりで語られるザッケローニに僕が期待しているのはまさにそこなんです。

しかしザックは初戦のアルゼンチン戦で見せて以来、そのプレッシングへの言及があまりにも少ない。こだわりが感じられない。ザックに不満をもっているのはそこ。

オリンピックの男子サッカーとは言い換えればU-23の世界大会。結果が求められる女子とは違い、この世代はまだまだ次があります。そんな大会でマックスの6試合を経験できた事は、これはもう大成功です。

じゃあその成功を生み出したのは何だったのか。幻想のように追い求めてきたパスサッカーだったのか。そして足りなかったのは何だったのか。お約束のように言われる「決定力不足」なのか。それはDFを5人抜いてゴールをぶち込むような事なのか。どこかのクリスチャーノさんのようにとんでもないブレ玉ミドルを突き刺す事なのか。一体いつまで無いものねだりをしつづけるのか。

ブラジルW杯まであと2年。まだ充分に間に合うタイミングです。このタイミングで「自分達の信じるサッカー」つまり「理想」の追求を是非とも日本代表には始めて欲しい、と。僕はブラジルで男子のA代表が、ロンドンのなでしこのように胸を打つ戦いを繰り広げる姿が観たいんです!

という訳でこれからもザックが少しでも怪しいそぶりを見せたら、批判します(笑)。効率的に走らせる事ができる。日本代表の指揮官に必要なのはそんなタイプだと信じていますから!それではまた!気まぐれに(笑)



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「プレッシングサッカー」FGO vol.75 

Football goes on vol.75

「プレッシングサッカー」

フットピーポーよ!ひさしぶ!ユーロで鬼のような長文&連投の後遺症で、ほぼ1ァ月無更新だったFGOですが、五輪代表男女の快進撃にひさしぶりの更新です!

男子は残念ながらセミファイナルで敗退して3位決定戦に、そしてなでしこは死闘の末についにファイナル!しかしなでしこはともかく、選考や事前の親善試合の体たらくぶりにみなが諦めていた男子のこの快進撃、誰が予想できていたのかっ!ちなみに俺は2敗1分で予選敗退だと思ってました、すまんかった関塚!

世間でいろいろと言われている関塚監督ですが、僕は前から望んでいた「プレッシング」にチーム作りの舵を切った点で、関塚監督を評価しています。アジア予選の時とはスタイルを大きく変えて、プレッシングショートカウンタースタイルへの変更。正しかったと思います。いろいろ物議をかもし出した選手選考も、「本大会はこのスタイル」という青写真が描けていたとすれば確かに理にかなっています。

王者として横綱相撲が取れるアジア、チャレンジャーとして挑む本大会、その辺の切り替えが最終選手選考段階で出来ている。アジア予選で戦ったメンバーは変えずに、冷蔵庫の中にある食材でありあわせのカウンター料理を作ってしまった南アW杯の岡田監督との違いです。

ただし選手交代に関してはやっぱり疑問が多い監督です。まず、遅い。状況が動かないと、動けない。状況を動かす交代が打てない。メキシコ戦での交代もちょっと不可解でした。まず2枚目です。2列目のパサーでありチャンスメーカーの清武に代えて、アタッカーの宇佐美。まず1点を取らないといけない状況なので、より得点力のある選手を入れるその意図は分かるけど、この交代から日本の攻撃は明らかに停滞します。

そして決定的なのが3枚目、さばき役の扇原に代えて、ドリブラーの斉藤。これで日本の中盤からは攻撃を創る選手がいなくなりました。以降はひたすら可能性の薄いパワープレーが繰り返されるだけで、結局、今大会で始めて訪れた「点を取りに行かなければいけない」という状況に関塚監督が持っていたオプションはオールドなパワープレーだけ。ちょっと切ないものがあります。

そのプレッシングに関しても、甘さも目立ちます。選手の走力任せ的な、戦術やフォーメーションの担保の無い「根性プレス」。ちょうどいいサンプルがユーロのイタリアです。3-5-2、4-3-1-2と恐ろしくプレッシングに向いてない陣形で無理やりプレッシングを行ったイタリアの方が酷かったと思いますが、関塚ジャパンのプレッシングも、やはりディティールの甘さが目立ち同質の問題があるように思います。中2日であのサッカーをやるなら、ターンオーバー的要因が必ず必要なはず。はたしてベンチにその要因はいるのか?そんな采配はあったのか?

一方、ほぼ完璧なプレッシングサッカーを披露してファイナルまでたとりついたのがなでしこジャパン、というよりもあえてこちらこそ、敬意を込めて呼ぶのが相応しい佐々木ジャパン、女子代表です。

フォーメーションからして明確にプレッシングサッカーへの意図が感じられます。4-4-2フラット。プレッシングのカリスマ、アリゴ・サッキがヨーロッパの盟主に君臨したミラン黄金期の布陣です。

100m×68mのピッチに、一番均等に選手が配置されるこのフォーメーションはプレッシング、しかも前陣で構えるフルコートプレスにもっとも向いているフォーメーションと言われています。しかしこの4-4-2フラット、いわゆる「フォー・フォー・ツー」は日本にもっとも馴染みの無い文化でもある訳です。

日本のサッカーでこの「フォー・フォー・ツー」が拝めたのは、実はこの名古屋の地。ベンゲル時代のグランパスぐらいでした。当時のベンゲルのグランパスはJではまったく異彩を放つ4-4-2フラット。ベンゲルが一言も「走れ!」なんて言わなくても、自然にプレスはビシビシ決まり、後は高い位置で奪ったボールを前線にいる妖精に預けるだけというシンプルなサッカーで躍進したもんです、ああなつかし~

女子ワールドカップ優勝直後のFGO(vol.50)で、僕は「なでしこジャパンの見事なパスサッカーが世界を制した」という当時の評判に対して、いや、なでしこの凄いところはプレッシング、佐々木監督は日本のサッキ、ササッキだ!(笑)、そして男子もこれをやるべきだ、これぞ日本のサッカーなんだ、と書きました。そのサッカーをさらに鋭く、より円熟させているのがこのオリンピックのなでしこだと見ています。

日本に無い文化4-4-2フラットはつまり自然発生的に日本では生まれない陣形だという事です。監督の明確な狙いから、つまり哲学から逆算して採用されるという、もっとも理にかなった陣形選択なんです。流行ってるから、強いバルサが使ってるから、強いブラジルが使ってるから、何がいいのか分からないけどやっぱりみんなが持ってるからやっぱり私もヴィトンのバックが欲しい的な感覚からもっとも遠い考え方。佐々木監督の明確な意思の表れだと思います。

さらに佐々木監督はほんと最新のサッカーのトレンドに敏感だなーと思わせるのが川澄のサイド起用です。「中盤を制するものはサッカーを制する」というサッカー界における有名な金言があるんですが、これはいまや完全に「サイドを制するものはサッカーを制する」に書き換えられています。サイドを制するためにいまや危険な選手をサイドに置く事は常識。

サイドの高い位置に脅威になり得る選手を置く事は、サイドという安全地帯ならではのリスクを負った勝負プレーを選択しやすくするだけではなく、1対1の勝負のシチュエーションも中央に比べて簡単に創れ、さらに相手のサイドバックのオーバーラップを封印して相手のサイド攻撃を相殺する効果もあり、一石三鳥ぐらいの効果を生むことからどの監督も工夫をこらすポイントになりつつあります。今の現代サッカーにおいて間違いなく主役はサイドの選手なんです。

川澄というスピードと得点力が高い選手はこれまでの日本人監督はどうしてもゴールに近い場所に置きたがるもの。それを本大会の本番で躊躇無くサイドにコンバートする。なでしこのチャンスパターンは左サイドで川澄絡みがほとんどです。ササッキ監督、あっ晴れですよ。

予選最終節での「引き分け指示問題」も、非難されるところが実に日本らしい牧歌的な、平和な話題で、闘争上手のヨーロッパや南米では常識レベルです。しかもあのブラジルを選ぶというキモの太さにも感心です。自分たちが普通にやれば勝てる、と。なでしこの「引き分け指示」は海外でも報道されていました。一体サッカー大国ブラジルはこの事をどう受け止めたのか、それできっちり勝つんですからね、まさに「こんな日が来るとは」ですよ!

しかしファイナルの相手はあのアメリカ。簡単じゃあありません。事実W杯での勝利もほぼ負け試合を追いついてのPK戦です。女子サッカーではまだW杯よりやはりオリンピックが上位、この本番でリベンジに燃えるアメリカはまさしくなでしこ最強の敵でしょう。

さらにこの過密日程の6戦目が、日本のプレッシングの足を鈍くします。結果予想をするとかなり暗い事ばかりですが、ひとつだけ明るい話題というか楽しみにできる事もあります。

それはどんな結果になっても、男子セミファイナルみたいなモヤモヤ感の無い、胸を打つ試合になるだろうという事です。

これは持論なんですが、プレッシングは、しかも本物の連動して全員が走りきるプレッシングは観るものの胸を打つんです。記憶に新しい所ではユーロセミファイナルのスペイン×ポルトガル。いちかばちかの「攻撃的守備」プレッシングサッカーとは失う物の無い弱者に残された唯一の武器。おそらくなでしこに「W杯王者」みたいな変なプライドは無いはずです。最強の敵に対するチャレンジャー。このメンタルでアメリカに挑むなでしこのサッカーは必ず僕らの胸を打つはずです。

僕は結果主義でサッカーを観ていません。選手が全力を出し切るからこそ生まれる、テンションの高い非日常の90分を求めています。さらにそこに「同じ国の」というスパイスも利くわけですから、なでしこの決勝、かなり楽しみです。間違いなく「すべらない試合」ですよ。

そしてそのメンタリティーは男子にも求められる訳です。なにせ相手が相手ですから。決戦の相手はまさかのお隣さん。「ダービー」が銅メダルを賭けて争わされるという、おそらくもう死ぬまで見られないこのシュチュエーション!

これまで日韓戦になると韓国は二割り増しになり、日本は二割減になりがちでした。向こうはいつものように「日本に負けたら韓国に帰れない」覚悟で来る事でしょう。この強い気持ちに対してどう戦うのか。

実は韓国も今大会の日本と同タイプの「プレッシングサッカー」チームです。おそらくこの試合はプレスの掛け合いになると思います。

この試合でのポイントは相手がかけてくるプレスを、どうやってかわすのか、になる気がしています。サンプルはまさしく日本のプレスを、狭いスペースと時間の無い中、見事なテクニックとそこから生まれる状況判断でうまくいなして無効化させたセミファイナルのメキシコのプレーです。

プレッシングは何も日本だけの専売特許ではありません。むしろこれまで日本だけが大きく遅れていた戦術で、世界は数年前からとっくにプレッシング全盛時代です。世界はいまプレスをかけることはもちろん、そのプレスをどう潜り抜けるか?にまで進化しています。

だからこそサイドが注目されている訳です。プレッシングという危険な網が届きにくく、かつボールを失ってもゴールに直結しにくい安全地帯。さらにサイドに起点を作る事で敵を引き寄せ、プレッシングの網の目を広く、潜り抜けやすくこのサイドが最近では勝負を決するポイントになっている理由です。

まさしく「サイドを制するものはサッカーを制する」です。サイドを制するのは日本か?それとも韓国か?この視点で僕は日韓戦を楽しもうと思っています。清武、大津、鍵を握るのはこの二人でしょう。

さあまずはなでしこ!アメリカを相手に金メダルを獲得できるかどうか見守ろうじゃありませんか。ここまでやや大人しい、昨年度世界最優秀選手わが国の10番の右足に願いをこめて、それではまた試合後に!



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「王者のフットボール」FGO vol.74 

Football goes on vol.74

「王者のフットボール」

フットピーポーよ!ついにユーロ2012の王者が決まりました。ユーロ史上初の連覇、そして間にW杯優勝も挟む三連覇!4年間最強のタイトルを保持し続ける偉業を、自分たちの理想のサッカーでスペインはやってのけて魅せました!

この試合はまずスペインを褒め称えたいと思います。特に前の3人。イニエスタ、セスク、シルバ。イタリアの4-3-1-2のフォーメーションではどうしても穴になってしまう、ピルロの脇のサイドスペースを完璧に使いこなすそのボールコントロール。特にイニエスタ、才能全開でしたね!

懸念のポジショニングも完璧。誰かが中央に入れば、スムーズに誰かがサイドに開く。ピッチをワイドに使って、できたスペースに必殺のパス、良いときのバルサそのまんまの攻撃にイタリアは押し込まれて、望まない「カテナチオ」を強いられてしまいました。このスペインにあのスペースを与えてしまってはもうゲームオーバーですよ。

このポジションチェンジの完璧さがGL第1戦のスペインとの差でした。82年ブラジルあの「黄金の中盤」。変幻自在の中盤をメンバーの一員であるソクラテスはこう表現しました。「俺たちはパグンサ・オルガニ・ザータだ」。直訳すると「組織化された混乱」。この日の3人は完璧に「組織化された混乱」だったと思います。

スペインの凄いところは決して攻め一本やりの単細胞なサッカーではない所です。ポゼッションで前よりになった陣形をそのまま使い、相手ボールになるやただちにプレッシング。「マイボール」「相手ボール」状態を問わず、常にテクニックの有無がボール保持に繋がる状況を作り続けるサッカー。スペインだけがプレーできる環境を、偶然じゃなく意図的に作り出すサッカー。完全に自分達の強みに特化した理想のサッカーを完成させています。

その理想のサッカーに確信を持ち、ブレる事無くこの4年間純度を上げて行った所が素晴らしい。どちらかというとガムシャラに理想を追って戴冠した4年前と比べ、この日は完璧に試合をコントロールしていましたね。

自分達の形で先制点を取った後は、少しディフェンスラインを下げて様子見。前半終わり間際にイタリアの足が止まった所で再びアクセルを踏み、カウンター気味に追加点。あの2点目でほぼ勝負は決したと思います。しかもその得点者がサイドバック。戦略、戦術が全選手に浸透していなければ、あそこで突然アルバが走りこむ事はあり得ません。明確なサイドアタッキングの思想が伺える1点でした。

後半は無理をせずボールを保持して試合をコントロール。相手が1人減ってしまったというトラブルがあったものの、システムを変えるのではなく、ただ人を代える交代しかできなかったイタリアでは、トラブルが無くてもあのスペインは止められなかったと思います。

このファイナルでスペインが魅せてくれたのは、サッカーを状況次第で使い分けるという、少年っぽさが抜けた「王者のサッカー」と呼びたくなる風格。これはちょっとアンタッチャブルな強さです。それだけにこのスペインを「あわや」という所まで追い詰めたセミファイナルのポルトガルが眩しく見えてきます。

イタリアとポルトガルの差はそのプレッシングの精度でした。4-1-4-1と各サイドにきっちり2人を配置し、バイタルにも1人配置するポルトガルが90分隙の無いハイプレス(それでもCR7サイドに少し穴があった)をスペインに突きつける事に成功したのに対して、イタリアはそれができなかった。

イタリアは結局3-5-2だろうが、4-3-1-2だろうが「サイドに1人しかいない」という問題を、ついに最後まで解決できませんでした。その矛盾を走力で補ってきたツケが、最後の戦いにモロにでました。スラムダンクで言うと山王戦後の湘北状態。それでも選手達は本当によくやってくれたと思います。

やっぱり責められるべきは監督、プランデッリだと思います。この試合でズタズタにされているサイドに対して、交代で何の手も打たなかったプランデッリ。戦術が求める「機能性」ではなく、大会中故障しケガ明けだというマイナス要因や、消耗して本来の実力が出せない状態でも、選手の「タレント力」に依存した起用をしてしまうプランデッリ。サイドの数的不利を解決せず、2点ビハインドで最後のカードにセンターハーフを投入するプランデッリ。僕はもうプランデッリをとても「戦術的な監督」とは呼べません。正直ヨーロッパのスタンダードから数年遅れている監督と言わざるをえない。

プランデッリにできたことは、「攻撃化」という旗を振るところまででした。今大会のイタリアは最後まで「未完成のアズーリ」でしたが、それでも方向性は正しいと思います。是非このサッカーをスペシャリストの下で追求して欲しい。そしてセリエAはこの代表のサッカーから「プレッシング化」にシフトチェンジをして欲しい。90年代欧州にプレッシングで君臨したあの姿を取り戻すきっかけに、この大会がなって欲しい。

もはや少し違う次元に足を踏み入れているスペインに対抗するには、同じベクトルでスペインを上回るか、対照的なサッカーでその長所を消すかしかありません。今から同じベクトルで追い続けても、その差は埋まらない。だったらどのように長所を消すか。

ボールを持つスペインに対して「受動的」に、その攻撃を「耐える」という方法論ではなかなか止まらないと思います。やはりそこは「能動的」に、自らスペインのボール保持を阻む方法。「相手ボール」で攻撃的な姿勢、「攻撃的守備」でスペインの長所を上回るサッカーが鍵を握ると僕は思います。

1ヶ月におよぶヨーロッパ最強の国を決める戦いは終わりましたが、その影響はむしろこれからです。はたしてスペインがヨーロッパに、世界に投げかけた1つの理想が、フットボールにどのような影響を与えるのか。ヨーロッパのシーズン開幕はもうすぐそこまで来ています。

Football goes on フットボールは前に進みます。ブラジルでこのスペインをどう倒すか。今大会で見えた「ポゼッションvsプレッシング」この流れに注目して、今シーズンもゴーズ・オンな日々を楽しんでいこうと思います。

毎回、毎回気の遠くなる長文を辛抱強く読んでくれた方、ありがとうございました。思った事ははっきりと書いてきたんで、思うところがいろいろとあったと思いますけど、これが僕の愛なんです、しょうがないっす(笑) 

サッカーは、いやスポーツは参加する事が楽しい。僕が言いたいのはそれだけです。ピッチに立って参加するには22人に選ばれなければいけないけど、試合を観てあーだこーだと言って試合に参加する事は自由。いつでも参加して楽しむ事ができます。

この1ヶ月、勝手に毎試合レビュー、プレビューを書くという参加の仕方はかなり楽しかったです。もしその文章を読んで、ほんのちょっとだけでもユーロが楽しみになっていたら、それはもう完全に読んだ人の力量。読んだ人の中にスポーツへの参加の気持ちがあったから、面白かったんだと思います。

別にユーロみたいなでかい試合が無くたって、毎週末ひいきのスポーツに参加して大勢の人が盛り上がる。そんな理想の日が来るといいなと思いながら、それではまた、何かの試合後に!もしかしたら2年後かもね(笑)


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